毎週土曜日は、営業マン、業務、開発担当、工場長など、シルクロードとセクションの各部署代表が、朝からみっちり会議をしています。
メインは新商品開発 (社長のお怒りTIMEも別途ございます…)。
当社のブレーンとなる重要な会議。
先日、中国地方の営業マンからプレゼンの提案がありました。
座席シートやダッシュボードなどを塗装できる缶スプレーとのこと。当社は外装、ファッション系の商材の取り扱いがド下手なので、個人的には「う~ん」って感じでした。
それに、〇め〇といった同じような商品、前から販売されてるしねぇ。
結論から申し上げましょう。スゲエ興奮しました。これは今までにナイ!
プレゼンには広島からS.C.H代表、今坂社長に遠路お越しいただきました。
若い! なのにプレゼンも答弁も淀みなく、堂々としています。
S.C.H
広島県広島市安芸区上瀬野町2388 TEL 082-554-6610
プレゼンされた商品は、諸事情でまだ名称公開はできないとのこと。なので、今回は私の類まれなるネーミングセンスにより、染め太郎(仮称)とさせていただきます。年式的にすし太郎(死語、でも商品は販売中)世代ですので。
手っ取り早く、まず実演動画をご覧下さい。
この商品は実際に使ったら分かりますが、仕上がりクオリティが純正品レベル。ムラムラにしか塗れない素人が適当に吹き付けるだけで完成。しかも耐久性が半端無い。自分のボロボロの純正シートを違う色にこんなに簡単に完璧に変えられるのは夢のような話です。
その後、プレゼントで話を聞いていると、これはアメリカの商材で主にあの巨大自動車企業フォードが純正採用している材料だそうです。ここで合点がいきました。
純正車両の塗装で使うということは、当然、超耐久性が求められわけで、長期間、過酷な環境に耐えるのは当然、人間の個々の技術に左右されにくい使いやすさなどが求められますから、この商品が優れているのは当然のこと。
塗装できない部分はほとんどありません。布、皮、アクリル、メタル系、プラスチックなど。クルーザーなどの船舶でも使われているそうで、当然、水、塩、塩素、紫外線などに対しても強力。再塗装、重ね塗りもへっちゃら。しかも特別な処理なく、上から重ね塗りで。
バイクのシート、クルマのノーマルシートも全然いけちゃいます。
そして、そこに座ったら、服に色がつくとか、はげるというのも皆無(もちろん素材ごと擦り切れたらなくなりますが)。
すでに塗装してもってこられたバイクのシート。いや、実物どうみても元からこの色だったでしょ、というくらい完璧。
この染め太郎のすごさは、その材料に完全に色がしみこむことのようです。ですから、仕上がりも自然。耐久性も優れているのも納得。
裏側をよく見ると、確かにもとの黒皮部分がありました。
まるで、JOJOの奇妙な冒険、第2部の柱のオトコにぶつかった人間が同化して取り込まれている場面のようです。ウリイイイイイィィィイイ。
調合すれば無限に色が作れるのですが、とりあえず用意されている色だけでも144色…
同等品と比べても使う量が3~4分の1程度! コストパフォーマンスまでいい!! 値段は調整中ですが、有名市販品とほぼ同じ定価。(1缶あたりの量は倍なので、金額も倍ですが、量あたりは同じ金額で、予想価格¥4,000)
私の中に一つの疑問が浮かびました。
こんなスゴイ商品、どうやって手に入れたのか、そして当然、大手他社が参入してそちらに販売されるのではないか。失礼ながらそんなスゴイ商品のルート簡単には無いし、ありえない、と輸入担当でもアル私は、「クヤチイ! キーっッ!」とどす黒い嫉妬でメラメラしていました。なので意地悪な質問をしました。
どうやって、あなたがこんな商品を手に入れることができ、独占できると断言できるんだい? どうせ、いざとなったら大手にもってかれるでしょ?
今坂社長が語ってくれました。
「ドレスアップ業界に居て、こういう理想的な商品をずっと探し続けてきました。そして自分が欲しいものにようやくアメリカでたどりついたのです。」
ふむゥ、熱意は認めましょう。で?
「ただし、特殊な材料ですから、普通には販売されていないし、そもそも缶スプレーではなく業務用サイズのケースで売られており、それを販売できたとしても、塗装機材が必要になります。」
だよね。
「そこである出会いがありました。その材料を独占的に入手可能で、缶スプレーに詰め替えできる会社でした。もちろん交渉は難航しましたが、粘り強くお願いをしているとある日、『お前の熱意に負けた! 日本での販売はお前にまかせよう!!』といってもらえたのです」
ありえん!!!! 認めんゾ、オレは認めんぞ! 我が軍の科学力は世界イチィィィィ…
と、思いたいところですが、現実今その商品を手にし、すでに契約を終えて、来年のサロンに向けてこの若い社長が動いているのです。スゴイ… 同じ立場の輸入担当者としての敗北感が半端無い(涙)
若くして熱い社長の話しに触れ、海外の展示会では足が痛いからもう帰るとぐずったり、昼からビール飲むとかはやめよう、マジメに商品を探そう、と誓ったのでした…
今週、当社の担当が今度は今坂社長を訪問し、追加資料をもらって帰ってくるので、この土曜日にはサンプル注文内容を決めますので、当社とお取引先のショップさまなどにはご紹介、実演をしてまわる予定です。。
これ、正直、純正内装ボロボロになって色あせたAE86などの旧車にも、新型のドレスアップ車両でも、なんでもいけちゃうよね… ワクワクしてきました。
「どうせ売れない」、「新商品なんて思いつかない」、「このクルマの部品はもう出尽くした」などなど、言い訳をしてしまいガチですが、やはりそれは言い訳に過ぎないですね。
「商いは飽きない」、という言葉通りです。